奇怪な呪術、正道往く漫画 - 漫画『呪術廻戦』

 

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックス)

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックス)

 

 

『呪術廻戦』が面白いので読んでください。以上。

1話からして少々地味だったので一時は打ち切り掲載順レースで熾烈な争いを繰り広げたりもしたが、センターカラ―も貰えたことだし第一巻発売時にこれだけ話題があればしばらくは安心だろう。「ネットで人気」なだけじゃないよな、続いてくれマジで。

「呪い」が存在する世界で呪術を学ぶ学校の生徒たちが怨霊やら怪しいやつらと戦うという、わりとありがちな感じの設定。主人公がヤバい呪霊を取り込んでいて時々入れ替わっちゃうっていうのもどっかで見たような見てないような。こう要素だけ見ればあまり新鮮味のない、よくある和ファンタジーの後追いと言われても仕方ないかもしれない。パッと思いつくだけでも『犬夜叉』『結界師』『ぬらりひょん』『鬼滅の刃』とか連想できる漫画は色々ある。
もちろんそういう系の漫画は好きなのでたとえ「ありがちな後追い漫画」のひとつに終わったとしても普通に喜んで読んだと思うんだけど、『呪術廻戦』はそんな小物ではない。

設定だけではなくていろんなところに他の人気漫画の雰囲気がほのかに漂っていて、ネットで見ただけでも『HUNTER×HUNTER』『BLEACH』『PSYREN』に似てるみたいな感想があった。まあわかる。「領域展開」は「卍解」の後継者たるポテンシャルがあると思う。それで単なる人気作の模倣に収まらずに、きちんと自立した作品として存在感を出せてるのが凄い。名作漫画から王道、鉄板、定番をもりもり取り入れつつも、セリフ回しとかキャラの立て方とか話の作り方がうまくて、全然陳腐な感じがしない。独創的でなくとも奇抜でなくとも面白い漫画は面白いのだ。「これはこういう漫画なんだ」というのがちゃんと伝わってくる。ついでに作者の性癖も伝わってくる。

ジャンプGIGAで短期連載された『東京都立呪術高等専門学校』は主人公の先輩たちが主役の前日譚で、これを読むととぐっと味わいが増す。今冬コミックス化予定!ジャンプ+にて配信中!全4話なので駆け足だし色々端折ってはいるけれども、「呪いは人間の負の感情から生まれる」という世界観の根幹部分をめちゃくちゃ上手に描いている。まあいいから読めよ。リカちゃんが愛とはなんなるかを教えてくれるよ。
『呪術廻戦』のお話はまだまだ序盤なので謎も多いしこれからどうなるか(面白くなくなるか)もまだわからない。とはいえ富士山(愛称)が出てきたあたりからグッとダイナミックになってきてファンも増えた様子。特に五条の女が増えた。なんやねん五条の女て。俺は富士山を推すぞ。負けたけど。単行本1巻はまだこれから面白くなるかな~の手前あたりまでなので3巻くらいまで何も言わずに買え。さすればお前はすでに呪われている。

いつか「最も好きな漫画を一つに絞らないと殺す」と言われた時の為に用意している答えが『ワールドトリガー』なんだけど、残念なことに作者療養のため休載になって久しい。一日も早い御快復をお祈りしております。どことはうまく言えないがこの漫画にもなんかこう通ずるものがあるような気がしている。最初地味なところとか?是非跡を継いで無念を晴らしてほしい(死んでない)。